ちゃんと伝えられたら
「いえ、私は最後まで、あなたと仕事を全うしたいのです。」

静かだが、熱いものが籠っているセリフだった。

「寺本さん、その言葉で充分です。でも本当に良いんです。」

まだ寺本さんの言葉は続きそうだったが、私は今度は少々強引に電話を切った。

そしてそっと坂口さんのデスクにメモを置く。

-今日は早退します。-

私は一刻も早くこの場所から離れたかった。















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