ちゃんと伝えられたら
これまで夜を過ごしたのは、ずっと私のベッドだった。

「そうか、志保はここの寝室は初めてか。」

「はい、入った事もないです。」

私の消え入りそうな声に、綾人さんは笑う。

「場所は直ぐになれるさ。それにいつも俺がそばに居る。…これからは…。」

綾人さんは私のつないでいる手にキスをする。

そしてベッドの前で、私を正面から見つめる。

私達はどちらからともなく、キスを交わす。

そしてそのままベッドになだれ込む。

「志保…、お前を愛している。もうお前なしでは俺はダメだ。」

私の目からすうっと一筋の涙がつたう。

そして私は両手を差し出して、綾人さんを欲しがる。

「疲れていないか?身体は大丈夫か?」

「じゃあ、今日は…やめましょうか?」

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