幼なじみの榛名くんは甘えたがり。



時計を見ると、遅刻ギリギリ。


榛名くんが靴を履いている間に、わたしは玄関に座って靴下を履く。


いつもなら部屋でちゃんと履いてるんだけど、あわてていたので今日は出る寸前に履くことに。


わたしが必死に靴下を履いていると、榛名くんがその様子を上からジーッと見ていた。


「……?」


「なんかこの角度エロいね」

「は……?」


「見えそーで見えない」

「っ!?」


すぐにその場から立ち上がり、あわてて靴を履いた。


な、なんなんだまったく……!!


朝っぱらから榛名くんはとんでもないことを平気で言ってくるから、ついていけそうにない。


玄関の扉のノブに手をかけて、開けようとしたら後ろから。



「ひーな、忘れもん」


あれ、忘れ物なんてしたっけ?って思いながら、榛名くんのほうに振り返ったら、チュッとリップ音が鳴った。


「っ、ちょっ!!」

「なーに、もっとしたい?」


「ん、んなわけないでしょー!!」

< 334 / 391 >

この作品をシェア

pagetop