夏、アイス溶けるまで
校庭側の窓からは青い青い空が見える。

その青色に溶けるかのように、南雲は笑顔で私にこう言った。

「早崎から見て俺はどんな奴だと思う?」

どんな奴って…

「…極端に言えば、全部完璧な人。勉強もスポーツも簡単にこなせちゃうからかな。」

「…そっ、か」

今の間はなんだったんだろう。

アイスが溶けるまでは、嘘をついたらいけないから本当のことを言ったのに。

「あ、でも努力家。」

さっきの言葉にもう一つ私はつけた。

それは南雲が本当に陰で努力していること。

「中学のとき部活が終わった後、他の人たちは帰ってるのに一人で遅くまで練習してたでしょ?」

そんな姿を見て、私好きになったんだよ。

「…そっか。」

「うん。」

「じゃあ、さ。もう一つ質問いい?」

目の前の南雲は笑顔を見せないで真剣な目でこっちを見てきた。

心臓がぎゅっとなる。

ドキドキなる。

やっぱり、南雲を嫌いになることは絶対にできない。
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