限りない愛~甘い彼に心揺れて~
私のも防水だから、持って入ればよかったかも……まさか電話で返事が来るとは思っていなかった。その事を話すと『声が聞きたかったから』と言われて、私はのぼせそうになる。

お風呂から出てから、リビングでテレビを見ていた母にスマホを返した。


「大ちゃんから電話だと喜んで出たのに、真帆はいますかって聞かれて、ガッカリしちゃったわ。今度大ちゃんをうちに連れてきてよ」


私の拗ねると口を尖らせる癖は、母似だ。口を尖らせる母の横に座り、「話しとく」とだけ答える。

その答えが気に入らなかったのか、母はまだ口を尖らせていた。


「忘れないで、話してよ。ところで、大ちゃんとはどうなの?」

「えっ、どうなのって、何がよ?」

「少し前にお泊まりもしたでしょ? この前は食事したとかで送っもらって、ものすごく機嫌がよかったじゃない? もしかして、付き合っているの?」

「う、ううん。別に付き合ってないよ。お泊まりといっても、酔って寝てしまったから泊めてくれただけで、変なことは何もしてないからね」


焦りながら答える私に母は大きな声で笑った。娘に対して、大笑いするなんて失礼な……。
< 101 / 202 >

この作品をシェア

pagetop