限りない愛~甘い彼に心揺れて~
「好きな人って、大ちゃんじゃないの? 誰なの?」


そこは追及しないでいただきたい。


「それは付き合っていると分かったら教えるから……で、私の話は聞いていた?」

「もちろん聞いていたけど、まさか大ちゃん以外の人が好きだなんて思わなかったから、ビックリしたのよ。でも、そうよね、大ちゃんとは再会したばかりだものね」

「うん、まあ、そう……」

「お互い好きだと言ったなら、付き合っているんだと思うわよ。その人、今度紹介してね」

「そうなのかな、付き合っているのかな。紹介出来るようになったらするね」

「うんうん、楽しみにしてる」


母はリモコンでテレビを消して、寝室へ向かっていった。私はソファーで膝を抱える。最近はいろいろ考えてしまい、なかなか寝付けない。

付き合うことになったら紹介したいが、それが副社長だったら母はどんな反応をするだろうか。

でも、紹介できるかは分からない。

不安な気持ちのままで週末を迎えた。
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