限りない愛~甘い彼に心揺れて~
「えー、それでは役員紹介に入ります。役員の方々、お願いいたします」
司会者の進行で10人ほどの役員が壇上に上がると社長がマイクを持った。社長自ら紹介するらしい。
社長のすぐ隣に立っているのが、私にクビを言い渡すであろう男性。
つまりその人は社長の次に偉い人になる位置にいる。他の人よりも若いのに、その位置にいるということは……。
「まず副社長で化粧品部門のトップリーダーとなる辻岡大祐(だいすけ)」
社長は名前だけ紹介して、マイクを副社長に渡した。やっぱりあの人は副社長なんだ。
苗字が同じだから社長の息子さんかな?
「副社長に就任しました辻岡大祐と申します。私のような若輩者には大役となりますが、白精美の未来のために自分の持てる力を発揮したいと思っています。よろしくお願いします」
きりっとした表情に、力強い言葉。姿勢よく頭を下げる彼に拍手がわき起こる。
この人になら安心してついていけると感じたが、私は小さく首を横に振った。
もう私には関係のないことだ……。
「続いて専務であり、健康食品部門のトップリーダーとなる稲葉賢治(いなばけんじ)」
稲葉専務は「はい」と返事をして、一歩前に出た。
司会者の進行で10人ほどの役員が壇上に上がると社長がマイクを持った。社長自ら紹介するらしい。
社長のすぐ隣に立っているのが、私にクビを言い渡すであろう男性。
つまりその人は社長の次に偉い人になる位置にいる。他の人よりも若いのに、その位置にいるということは……。
「まず副社長で化粧品部門のトップリーダーとなる辻岡大祐(だいすけ)」
社長は名前だけ紹介して、マイクを副社長に渡した。やっぱりあの人は副社長なんだ。
苗字が同じだから社長の息子さんかな?
「副社長に就任しました辻岡大祐と申します。私のような若輩者には大役となりますが、白精美の未来のために自分の持てる力を発揮したいと思っています。よろしくお願いします」
きりっとした表情に、力強い言葉。姿勢よく頭を下げる彼に拍手がわき起こる。
この人になら安心してついていけると感じたが、私は小さく首を横に振った。
もう私には関係のないことだ……。
「続いて専務であり、健康食品部門のトップリーダーとなる稲葉賢治(いなばけんじ)」
稲葉専務は「はい」と返事をして、一歩前に出た。