限りない愛~甘い彼に心揺れて~
さらりという豊川さんに私は目を丸くした。

だけど、驚いているのは私だけであって、驚く私を副社長と専務は笑って見ている。

笑われるような反応していないはずだけど……。


「まあ、豊川くんの言うことは間違いではないね」

「まあ、そうですね。でも、豊川さん」

「はい」

「それを口にするのはこのメンバーの時だけにしてくださいね」

「もちろん分かっていますよ」


私を除いた三人は顔を見合わせて、笑う。私だけが笑えない。お姫様だと言われる意味も分からないし、それを他の人に言ってはいけない意味も分からない。

他でも言われたら、恥ずかしくなって逃げ出してしまうかもしれないが。

副社長は「預かっていただき、ありがとうございます」と私を連れて、廊下に出る。まるで小さい子供を預けていたみたいだ。

なんだかバカにされていない?


「副社長は私を子供だと思っているのですか? 私はもう子供じゃない……」

「もちろん分かってる。真帆は立派な大人の女性で俺はいつも戸惑っているんだよ。知ってる?」

「嘘……だって、お姫様だとか子供扱いされているみたいで」

「子供にこんなことはしない」

え?
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