危険なあなたともう一度…

梓さんは本当に私とこれ以上関わらないことを望んでいるの？

どうしてそんなに切ない目で私を見るの？
どうして…泣きそうな顔をしているの？

｢…そうだね｣

｢羽久安…ありがとうな｣

ズキっ…

どうしてお礼なんて言うの？
私は梓さんを傷つけるようなことをしてるんだよ？なんでいつも見たいに笑ってくれるんですか？

梓さんは私の横を通り過ぎると同時に優しくポンと頭に手を乗せてこの場を去って行った

どうして？最後まで優しく触れるの？

視界が歪んでボヤけていく。

｢…羽久安…｣

｢…っ、わ、私…っ｣

｢…っ｣

｢わ、私…梓さんが…｣

｢羽久安…ダメ…だよ｣

｢っぅ…うぅ…っ｣

なんで今更気付いてしまうんだろう。
あんなに気付ける機会なんてたくさんあったはずなのに最後まで優しい梓さんのせいで気付いてしまうなんて…。

そうだ。

私は…梓さんを好きになってしまったんだ。