君と出逢ってわかること、すべて
 そのあとはまあ、焦りまくって、私はごめんなさいのオンパレード。
 うん、でも、違ってたらごめんって、私、前置きしてたよね!?

 さらっと流してくれればいいのに先輩は、
「俺、あんまり他人と間違われないほうなんだけどな」
とか言うし。

 確かに、人目を引きそうな、大柄でスポーツ経験のありそうな整った身体つきをしている。
 だからこそ、怒らせて腕力にものを言わせるようだったら怖いと思った。


「俺は青柳っていう。君は」
「……坪井です」

 つ・ぼ・い、と反芻しながら青柳先輩はスマートフォンを操作する。

「さっそくだけど坪井さん、このあと時間あるって言ってたよね。俺を誰かと人違いしたお詫びがてら、映画につきあってくんない? 単館系ので気になっていたのがあるんだ」

< 2 / 11 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop