御曹司は眠り姫に愛を囁く
「大手総合家具メーカー『シーナ』の御曹司で東京支社の椎名瑛支社長だよね・・・」

「あ・・・うん」

「私・・・『シーナ』に保険外交員として、出入りしてるのよ。だから、見たコトある顔だったんだ・・・」
明日香はワインを飲みながらうっとりとする。


「でも、椎名さんは既婚者だよ」

「既婚者??嘘?
『シーナ』の社員の人には支社長は独身だって…訊いたわよ」

「えっ?」

「だって…薬指にリングが・・・」


「それは…女除けかな?」

女除け?

「まぁ、ともかく、椎名支社長は独身だから」

明日香は語調を強めて返した。


「もし、今彼女が居ないなら・・・陸翔さんにお願いして、支社長と4人で飲みに行こうって・・・誘って。凛音」

「それは・・・」

「あんただけ、幸せになるなんて…ズルいじゃない」



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