涙味のさくらんぼ
新メンバー
毎朝5時に起きる。そして一階に降り、洗面台に向かう。冷たい水で顔を洗い、鏡を見る
真っ黒に焼けけた肌首から下は真っ白だ。
顔を洗い終わって台所に向かった。台所にはお母さんがエプロンを着けて忙しそうに料理を作っていた。「お母さん、おはよ!」と声をかけた。お母さんは振り向いて笑顔で言った「おはよ、かりんちゃん!冷めないうちに食べちゃいなさい」そう言って、テーブルを指差す。食卓には卵焼き、ほうれん草和え、ご飯に、味噌汁。朝から豪華な食事だ。いただきますと、手を合わせ食事にガブリ付いた。美味い!夢中でご飯を食べる、その時かすかにピピピッと聞こえた。やばい、姉ちゃんのアラームが5時半をお知らせしていた。
お母さんは、急に慌てだした私を見て、「お弁当玄関に置いとくね?」と言った。
急いで部屋に向かう、部着に着替えて、制服をカバンに詰めてた、よし、そして一気に階段を降りて、玄関まで走る。そして、弁当をとって大きな声で「いってきまーす!」といって家を飛び出した。途中から「かりーん!待てよー!」という声がした。真理子だ、真理子も同じ部活で、毎日途中で合流する。
家から学校までは走って5分で着く。15分前にグラウンドに到着した。マネージャーが
もうすでに来て、水の準備をしていた。「おはよう!今日も1日がんばろ!」と根気よく挨拶してくれる。おう!私たちも笑顔で返す、
そして、部室に向かった
部室ではもうすでに集まっていた。キャプテンの城間が、スポーツ雑誌を読んでいる。
「おはよ!」みんなに声をかける、城間は「おす!」と言いまた雑誌に夢中になった。他の部員達も、ソックスの準備をしたり、ストレッチをしたり、すね当てをつけたりしていた。真理子は、だらしなく靴を放り投げロッカーへ向かう、やれやれと私は真理子の靴まで綺麗に並べた。6時になり、マネージャーがグラウンドで笛を鳴らす。もう、私達は、一列に並んでいた。そして、1分間黙想をする、今日も1日怪我なく、サッカーができるように。と、それからアップのランニングをする。朝の練習は、主に基礎練だ、リフティングの練習や、ドリブル、インサイドキック、ミニゲームなどだ、基礎練といっても誰もが真剣に取り組む。瞬間に動き8時までみっちり練習が行われる。朝練の中にあるミニゲームでは、日頃の試合に出ていない応援席にいるメンバーを中心にしている。もちろん、レギュラーメンバーも何人か混じっての試合だ。
応援席にいるメンバーのほとんどは、高校に入ってから入部した人が多い、しかし素人だからといって甘く見ない、特に女ッカーでは
練習についてこれない人は退部させられる。強制的に。だから皆凄く頑張ってる。
この、チームのエースは、工藤 伽凛だ。
サッカーは小学1年から始めた。サッカーで培った運動神経といい、顔立ちといい、体力といい、忍耐力といい、部員だけでなく、他学年の生徒、男女問わずモテるモテるモテる。ずっとサッカーをやって来たから、とにかくボールを蹴らないと1日が終わらないと思ってるくらいサッカーへの愛着がすごい。しかも、技術や知識も経験者として豊富で、サッカー協会でも、有名である。また頭も良くて授業態度も良いので先生からは噂では超が着くほど人気者らしい。中学では、都内のサッカークラブに所属して全国大会にも出場し、また、日本代表で、アジア大会にも出場している。
「かりん!パス」パスを出され、素早く足を出す。その時、ふと左足の付け根に違和感を感じた。しかし何ともなかったので気のせいかと思った。
学校が始まるのは、9時からだ、朝練が終わると、部活生だけが特別に使えるシャワールームがある。4つの個室が設けられて降り、それぞれシャワーがある。洗濯機もある。
汗ビショビショでシャワールームに向かうと、先ほどまで使っていたと思われる女子バスケ部がいた。「お疲れ〜!かりん今日もいけてるね!」というとバスケ部は出ていった。
「かーりん朝っぱらからモテモテですなー?」真理子は汗だくな背中に手を回して、言った。「あー、もう、汗すごいから触らんでよ、」真理子はその反応待ってました!とばかりにちょっかいを出してくる。部員にどっと笑いが起こる。こうやって朝の部活は充実している。
早速1限目の初めからから地学の自習だった。
ルームメイトのさつきと源士(げんじ)と真理子と城間とめぐどマーシュ亜由がいつも一緒にいる。通称いつめん。真理子とさつきと城間は同じサッカー部で、源士とめぐは、調理部で、源士は少しオネエ要素がある。マシュー亜由は、ハーフでロシアの父と日本人の母を持つ、最強に美人の少女だ、英語部に入っている。
私達は、朝ごはんのおにぎりとスマホを持って、クッションがあるスペースに移動した。そして、占領した。源士はアイドル系の歌が好きで鼻歌で良く歌っている。マシュー亜由は民謡が好きで、私は洋楽が好きでさつきと城間はアニソンが好きめぐは特に聞かないらしい。だから私たちの好みはバラバラなので誰も音楽を流さない。城間は早速白いおにぎりにかぶり付く。そして、真理子は、それをガン見しながらバナナを食べる。その横で一面のりの真っ黒のおにぎりを食べる。不思議な光景だ。これは毎朝恒例の私たちのちょっとした行事だ。真理子はバナナをほうばりながら言った、「ギャハハ、かーりんまたのりおにぎり?カーりんのお母さんどんだけギャグ線高いの?」その横でマーシュ亜由は真理子の口を抑えた。「まりちゃん食べながら話すのは行儀悪いよ!」真理子はそれでも話す。「マーシューの手いい匂いするう!ギャハハ」マーシュ亜由は、汚いー!と言って微笑んだ。
それから2限目3限目と、時間は過ぎていった。お昼はレギュラー部員で食べる。
真理子と屋上に向かう際、私は階段でこけた。真理子は「え?かー、りん?大丈夫??」と声をかけた。伽凛が、転ぶなんて珍しいことだ。伽凛は、大丈夫というと、立ち上がった。
また、左足付け根に違和感を覚えた。
屋上にはレギュラーメンバーが集まっていた。レギュラーメンバーは全員小学生からや、幼稚園生の時からサッカーをしている。ベテランが多い。まず、中央のCFを守っているのがエースの伽凛、パスやドリブルでチャンスを作るSTを真理子、2番目に大事なWGを城間、ゆあ、攻撃するOMFをゆな、中央を守るMFがリン子、サイドハーフがれみな、司令塔がさおり、FWがきの、GKがごリメイこと、剛力メイ華、MFのリン子と、メイ華は、双子だ、一卵性双生児で、顔も性格も声も動きも全て同じ。
真理子は、ムードメーカーですぐ笑いを取ることができるある意味天才だ、同じクラスのさつきは少し大人しめだが、サッカーになると、すごく人格が変わる。城間は、しっかりしていて、お母さん要素がある。大人びていてキャプテンとして、部員のママとしてみんなから頼られている。ゆなは、負けず嫌いで、何でもかんでも一生懸命やる、れみなはすごく大食いで、とても声がでかい3つ隣のクラスなのに笑い声が2-Aにもはっきり聞こえる。さおりは、お姉さんが有名なサッカー選手で、お兄さんはお相撲さん、オリンピックファミリーとして有名だ。きのは小さいけど、足が速く、相手のボールをスイスイとって、パス回しがうまいほうだ。一卵性双生児は
同じカバン同じハンカチ同じ靴同じ色の弁当箱同じ具材同じヘアスタイル同じ位置にホクロまである。そしてすごく明るい。
このメンバーが集まると、最強と呼ばれてきた。レギュラーメンバーのランチタイムは、
ほぼ、次の試合の対戦校の噂や、作戦タイムと言った、ほぼ部活の話題しかない。
その時、真理子が、言った。「そいえばさ、さっき階段でかーりんが転びよったんだよ、かりんが転んだの初めてみたかも!」みんな食べる手を一瞬止めた、「え?かりん大丈夫?」みんなが見ても、伽凛は簡単にこけるような人ではない。試合の時も転びそうになっても、なんとかころばない人だ、足をつっても走る人だ。伽凛は、手を振って大丈夫!と言った。教室に戻る際も、歩いてる時、左足の付け根に違和感を感じた。なんだろう、
痛いというか、急に力が抜ける感じだ。真理子は一人だけ大きな声で話している。さつきと城間も隣でおとなしく歩いている。3人より少し後ろで、あまり目立たないように、左足付け根を抑えた。
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