遠距離の彼 と 近距離の同期
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始業時刻10分前。

天が出勤して来た。

「おはよ。」

いつも通りの天。

「おはよ。」

私もいつも通りに挨拶する。

と思ったら、いきなり天が椅子を滑らせて、寄って来た。

「な、何?」

天は、思いっきり首を傾げて、私の顔を覗き込む。

「ち、近い! 何よ?」

私は、距離を取ろうと、仰け反って言った。

「お前、クマ、酷いぞ。
ゆうべ、眠れなかったんだろ?」

「うるさい!
そういう事は、いちいち指摘しないで!」

なんでそういうとこ、すぐに気づくかな。

さらっとスルーしてくれればいいのに。
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