遠距離の彼 と 近距離の同期
「だって天、顔に下心ありますって書いて
あるもん。」

「そんな事、書いてねぇし。」

「じゃあ、ほんとにお茶だけでいいんだね?」

「いや、それは…」

「今日は初日だから早寝しろって天が
言ったんだよね?」

「それは言ったけど…」

「じゃあ、おやすみなさい。」

「はぁ…
しゃあねぇな。
おやすみ、結。」

そう言って、天は私の額にちゅっとキスをした。

初めてのキスはおでこかぁ。

ふふっ
プロポーズよりキスが後なんだ。
普通じゃないのが、私たちらしいのかも。


私が部屋に入ると、天が階段を上る足音が聞こえた。

あれは、絶対一段飛ばしで上ってるな。



そう。

私が引っ越してきたのは、天の住むマンション。

私が2階で、天は3階。

いつでも行き来できるベストポジション。




10ヶ月、何の連絡もしなかったけど、天は私を待っててくれるって、何故か信じられた。

海翔が転勤した時は、不安しかなかったのに。




天、ここから私たち、また始めようね。

天、だいすき。




─── Fin. ───




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