遠距離の彼 と 近距離の同期
「ちょっと、天! 何やってんのよ!!」

「例え、春山さんでも、結に触るのは禁止
ですから!」

私が見上げると、天が春山さんを正面から見据えていた。

だから、私は肩を抱く天の左手を思いっきりつねってやった。

「いってぇ! 何すんだよ!」

天は私の肩から手を離して、右手で抑えた。

「今のはそういうんじゃ、ないでしょ!?
変なヤキモチ妬かないでよ。
恥ずかしい!」

私が怒る横で、春山さんは笑っている。

「お前ら、ほんとに変わらないなぁ。
もういいから。今のは、俺が悪かった。
そうだよな。小川の大好きな伊藤に勝手に
触っちゃダメだよなぁ?
くくくっ」

春山さんに思いっきり冷やかされてるのに、天は全く動じない。

なんで?

私は顔を上げられないくらい恥ずかしいのに。

「分かってもらえて嬉しいです。」

はぁ!?

「天、バカなの?」

「は!? どこが!?」

「全部!!」

「は!? なんで!?」

「そこは、
『分かってもらえて嬉しいです』
じゃなくて、
『大人気ない事言って、ごめんなさい』とか、
『変なヤキモチ妬いて、ごめんなさい』って、
謝るところでしょ!?
何、堂々と上から物言ってるのよ!!」
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