遠距離の彼 と 近距離の同期
私がきょとんとして天を眺めてると、天は椅子を滑らせて寄ってきて、耳元で囁いた。

「1週間、待ったんだ。
これ以上、待たせるな。」

ようやく意味を理解した私は、ボッと音がしたんじゃないかと思うくらい、派手に顔を燃やした。

私は、顔を隠す様に俯いて、慌てて帰り仕度をする。

それを横目に見た天は、

「くくっ
相変わらず、結は分かり易くてかわいい。」

と肩を揺らした。



私たちは会社を出て、夕食を取りにダイニングバーに寄った。

少しのアルコールと美味しい食事を楽しむはずが、なんだかこの後の事が気になって、あまり味もよく分からなかった。


21時過ぎ、私たちはマンションに着いた。

私は部屋で着替えを準備して、天と共に3階へ上がった。
< 251 / 284 >

この作品をシェア

pagetop