遠距離の彼 と 近距離の同期
「そうね。
今は簡単に堕ろす人が多い中で、1つの命と
して大切に育んだ結さんが、人生で損を
すべきじゃないと思うわ。
きっと将来、天も天の子も大切にして
くださるでしょ?」

「はい!」

私の選択を受け入れて認めてくださるなんて、やっぱり天を育てたご両親だ。

「お姉さんのところに他にお子さんは
いらっしゃらないの?
もし、他の子との間で何か問題があるなら、
引き取っても構わないのよ?
天はわがままだけど、そういう所はちゃんと
思いやれる子だから。」


お母さん、天と同じぐらい優しい。


「お気遣いありがとうございます。
実は、姉夫婦には、子供がいないんです。
不妊治療をしましたが、結果が思うように
出なかったので、姉の方から娘をほしいと
言われました。
娘は十分に可愛がってもらってます。」

「だったら良かった。
将来、あなた達の子と仲良く遊ばせて
あげられるといいわね。」

お母さんが言うと、

「だろ?
だから、1日でも早く結婚して、子供を
産ませてやりたいんだ。」

と天が言った。
< 263 / 284 >

この作品をシェア

pagetop