遠距離の彼 と 近距離の同期
大きな扉が開き、父に腕を引かれて、一歩踏み出す。

一歩。また一歩。

ゆっくりと天の元へ、私の幸せへと歩みを進める。

父が私の腕を天に託した。

私は、天の隣に立つ。

賛美歌を歌い、聖書の朗読を聴く。


病める時も、健やかなる時も………


私たちは、永遠の愛を誓った。


指輪の交換。

緊張して、手が震えた。


結婚証明書にサインをすると、牧師様に結婚を宣言された。


天に腕を引かれてチャペルを出ると、祝福の言葉と共にフラワーシャワーが降り注いだ。


「結、絶対に幸せにするから、死ぬまで俺に
ついて来いよ。」

「うん。」


ふふっ
天ってば、こんな時でも、やっぱり俺様なんだね。

『幸せになろうね』でも、
『幸せにするよ』でもなく、
『俺について来い』って、命令口調。



だけど、大丈夫。
そんな天は、私が幸せにしてあげる。



天、だいすきだよ。



─── Fin. ───


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