政略結婚!?箱入り令嬢は俺様社長に愛でられています

 どうやら割り増し料金で優先的に案内してもらえるチケットらしい。その隅に書かれていた50ドルを超える金額にはっとした。

「あ、私、お金を」

 ポシェットに手を伸ばそうとすると、彼はさえぎるように私の手を取った。

 やさしい触れ方に、どきりとする。さっきだって手をつかまれて走ったりしていたのに、改めて触られると、ぬくもりがしっかり感じられる。

「いらないよ、お姫様。今日は君の、自由記念日だろ」

 いたずらっぽくウインクをしてみせる彼に、私の心臓は鳴りっぱなしだ。

 エレベーターに乗り込んでたどり着いたのは、エンパイア・ステート・ビルの八十六階にある展望デッキだった。

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