政略結婚!?箱入り令嬢は俺様社長に愛でられています

 WLBプロジェクトに関しては、ひとまず戸上さんが間に立ってくれているけれど、いつかは社長と顔を突き合わせて直接報告をしなければならない。

 そのときにあの目で見つめられたら……。

 混雑したエレベーターに乗り込みながら、小さく首を振った。

 今は考えるのをやめよう。仕事にだけ集中するべきだ。

 そう思っていたのに、開発企画部の島に着いたら、自分の机がなくなっていた。

 いや、厳密に言えば机は存在している。私が使用していた事務デスクはそのままの形で目の前に佇んでいるけれど、鍵付きの引き出しにしまっていたはずのノートパソコンがない。

 ほかの引き出しを開けてみると、入れておいた書類や資料、文房具類まで一切合切が消えていた。

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