政略結婚!?箱入り令嬢は俺様社長に愛でられています

 これから、改めて彼の両親に挨拶をするのだ。今度はきちんと、本物の婚約者の手を取りながら。

 扉を開ける直前、迅は笑った。

「政略結婚も、悪くないだろ?」

 
 ――そう、悪くない。


 相手が、あなただから。


 どうせ囚われの人生なのだとあきらめて、家にこもっているままだったら、きっと今、私のとなりにこの人はいなかった。



 振り返ると、ガラス窓の向こうに抜けるような青空が広がっている。

 1月の晴れた空は、とても澄んでいた。

 どこまでも飛んでいけそうな青空を見つめて、私は彼の手を決して放さないように、強く握りしめた。








【略奪!?愛にいたる政略結婚 ✿ 完】
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