【中完】彼女なんて辞めてやる。
後ろを振り返って歩き出す。

学校では顔を合わせるのだから別れではないだろうけど。それでも私にとっては別れだった。

なんでだろう。今日の最初は別れてやる気満々だったのにいつからこんな優柔不断になったんだろう。

いや、最初は樹が約束を意図的にすっぽかしたと思ったからだろうか。まぁ、なんにせよ。別れたことには変わらないのだ。

はぁー、帰ろ。

きっと、明日も今日とは変わらない一日が待っているのだろう。明日も胡桃と日向と顔を合わせてくっちゃべる様な一日が。

ただ、浅岡樹との関係が無くなっただけ。

『あ、胡桃に連絡しなきゃ。』

カバンを背負い直して夕日に向かって歩き出した。

「俺も好きだったよ……、雪乃。」





後ろから聞こえた声には気が付かないふりをして。






終。
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