神様には成れない。


普通に他愛もない話をしている分には何てことない普通の男の子なのに、こと恋愛的な意味合いに関しては何故だか途端にズレた発言を始める。

それでも考えてきてくれた事を嬉しく思えばいいのか。


「一体誰に聞いてきたの？」

「講義で近くに座ってた女の子達。女の子の事は女の子に聞けば一番かなって」


果たしてこういう発言に嫉妬するのが正しいのか。

しかしながら、そんな気持ちが湧いているわけでもないので思い悩む事もないだろう。


「瀬戸さんに似たタイプの子に聞くのもいいかなあとか思ったんだけど、俺他の子には興味ないからよく分かんないし、瀬戸さんは瀬戸さんだよなあとかも思った。うん」

「うん。って私何の感想を聞かされてるの？」

「うぅん。何だろう、あれかな強いて言うなら俺瀬戸さんとデート出来るの意外と楽しみだったみたい」

「！！」


屈託のない笑みで何の照れもなく告げてくる。淵くんはいつだってストレートな人間だ。

不覚にもドキリとしてしまったのは、今までこんなに真っ直ぐな言葉を告げられたことなどなかったからだろう。



< 34 / 488 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop