神様には成れない。


京ちゃんは立ち上がらないままに、また俯く。


「な、な、何してるの?どうしたの?何かあった?暑いからとにかく中に入って」


質問を畳みかけながらも彼女の腕を持ち立ち上がらせれば、ふらりと体が傾いてその勢いのまま私に抱きついてくる。


「京ちゃ、」

「ごめんね千花、ごめんね……っ!」


ギュウッと力を込めて何度も謝る。

泣いているのだろうか、その声は不安定な音程で、それを聞いているだけ少し胸が痛んだ。だが、彼女が謝るのなら私だって謝らないといけないのだ。


「……私もごめんね京ちゃん。泣かないで」


ポンポンと頭を撫でてやれば首を横に振って、また謝る。


「千花の事嫌いだって言ってもそう言う所も含めて好きなの。一番の友達なの、ふとした時に会いたくなるの」


感情が上下していない時の普段の彼女なら言わない事を連ねられて、照れくさくなる。

大丈夫だと、一度落ち着いて話をしようと彼女を引きはがそうとして吐き出されたのは


「だから、音信不通になって初めて不安になったの!!」


少しの誤解だった。



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