神様には成れない。
それを感じながらも、彼の胸に顔を押し付けて溢すのは少しばかりの怒りと悲しさの想い。
「ちゃんと淵くんと向き合おうって、淵くんが悩んでるのなら二人で考えようって思った時には連絡つかないし」
「うん」
「最後に会った時、私淵くんの事傷つけちゃったから余計に不安で、どうしようって。もしかすると仁菜ちゃんと一緒にいるんじゃないかって思ったし」
「うん、ごめん」
「それから……」
と、恨みつらみを更に吐きそうになる私を彼は一層強く抱きしめて、まるで制止するかのように声を出した。
「瀬戸さん」
次いで、項垂れるかのように私の頭に頬を寄せる。
すうっと静かな息遣いが間近で聞こえて、か細く彼は言葉を落とした。
「俺、瀬戸さんの事が誰よりも好きだよ」
少しだけ震えたような声に聴こえたのは、きっと気のせいじゃない。