俺様王子が恋をした
「まずは、教室で真優華が見た件について。
 抱き着かれていたのは事実だし、
 そこを言い訳するつもりはない。
 嫌な思いさせて本当にごめん…」

頭が床に着きそうなくらい
深々と頭を下げられた。

「大丈夫です…。
 確かに嫌だったけどなにか
 事情があると思ってました。」

声が震えてしまった。
この先に投げかけられる言葉を
想像したら、少し怖くなって。

でも、ギュって先輩が手を握って
真っ直ぐ私を見た。
その目からは真剣さが痛いほど
伝わってきた。

「俺が真優華に対して
 好きという気持ちは変わらない。
 これから先もずっと。」

その言葉に、また涙が溢れた。
この瞬間、何を聞かされても大丈夫。
本気でそう思った。
< 209 / 390 >

この作品をシェア

pagetop