Sweet Healing~真摯な上司の、その唇に癒されて~
 ポンっと頭に置かれた手に、千紗子の肩が大きく跳ねた。

 「千紗子が眠るまでここにいる。だからもう寝なさい。」
 
 頭の上にある手がゆっくりと千紗子の頭を撫でる。
 それは、子どもを寝かしつけるときのように穏やかだ。

 規則正しく、ゆっくりと、優しい手つきが、千紗子を眠りに誘う。

 発熱の後の気怠さが残る千紗子の体から、次第に体の力が抜けていく。
 瞼が重たくなって、重力に逆らえない体は布団に沈んでいく。
 うとうとと眠りに落ちるその時、千紗子の額に柔らかくて温かいものが触れた。

 「おやすみ、千紗子。」

 そう呟いた声が、千紗子の意識の遠くで聞こえた気がした。


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