Sweet Healing~真摯な上司の、その唇に癒されて~
食事を終えて食器を下げると、昨日と変わらず雨宮は「ここは俺が片付けるから、千紗子は風呂に入っておいで。」と、千紗子に言った。
(ちゃんと話さないと。)
ここを出ようと決めたことを、本当は食事中に言おうと思っていたのに、なんとなく言い出しづらくて延び延びにしてしまっていた。
袖を捲り以あげながらキッチンに向かう雨宮の後姿に、思いきって千紗子は声を掛けた。
「あのっ雨宮さん!…お話があるんです。」
振り向いた雨宮は、千紗子の表情がいつもと違うことにすぐに気付く。
「分かった。片付けは後回しにするから、ソファーに座ろうか。何か飲むか?」
「いえ、大丈夫です。」
飲み物を待っている間に、せっかく絞り出した勇気がしぼんでしまいかもしれない。
千紗子はソファーの端に腰を落として、両手を握って膝の上に乗せて背筋を伸ばした。