Sweet Healing~真摯な上司の、その唇に癒されて~

 柔らかくしっとりとしたその感触が雨宮の唇なのだと気付いた時、千紗子の視界いっぱいに綺麗な顔が映っていた。

 閉じた瞳の睫毛は長く、きめ細やかな肌にはしみ一つない。
 
 重ね合わせた唇が離れながら千紗子の唇を吸い『ちゅっ』と音を立てる。

 目の前の瞳がゆっくりと開かれ、視線が絡み合った。

 千紗子はまるで魔法にでもかかったみたいに、そこから目を逸らすことが出来ずに、しばらくの間見つめ合っていた。
 その時間はものの数秒のようで、永遠のようだった。

 「―――好きだ、千紗子。」

 濡れたような光を湛えた瞳が瞬いた時、千紗子の胸が大きく震えた。

 「どこにも行くな…ここにいて。」

 それだけ呟いた唇は、再び千紗子の唇に降りてきた。

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