Sweet Healing~真摯な上司の、その唇に癒されて~
千紗子の意識が眠りの淵から浮かび上がる。
重い瞼を無理やり持ち上げると、カーテンの向こう側はまだ暗く、夜明け前までまだ時間があるようだった。
体がやけに重くて寝返りをするもの億劫なくらいだったけれど、なんとか体勢を変えようとしたとき、千紗子は自分の体が重くて温かい何かに縛られていることに気付いた。
(んんっ…動けない……)
寝ぼけ眼で重たい何かを退けようと手を当てた時、千紗子の意識が一気に覚醒した。
(腕っ!?)
自分の体に巻きついている重たいものが、雨宮の腕だ言うことに気付いた瞬間、昨夜自分と彼との間に起きた出来事が甦る。
布団の中の自分一糸まとわぬ姿であること、そして自分を抱きしめたまま眠っている雨宮も同じ姿であることに否が応でも気付いてしまう。
(私…ゆうべ、雨宮さんと………)
覚醒したばかりの千紗子の肌に雨宮の素肌がしっとりと触れ合う。その感触に、千紗子の体がカーッと燃えるように熱くなった。
けれどそれと同時に昨夜の記憶が甦り、今度は頭から冷水を被ったように血の気が引いて行くのを感じた。