Sweet Healing~真摯な上司の、その唇に癒されて~
 雨宮が出ていった後、千紗子はしばらく座ったままぼんやりとしていた。
 けれど彼が言ったことを思い出して、シャワーを浴びる為に来ているトレーナーを脱いだ。
 何気なく鏡に映った自分の姿を目にした瞬間、

 「きゃあっ!!」

 口から悲鳴が飛び出た。
 鏡に映っている自分の体中に、赤い斑点のようなものが無数に散らばっていたからだ。

 「どうした、千紗子!」

 パウダールームの扉がいきなり空いて、雨宮が飛び込んできた。

 「きゃっ!」

 今度は違う叫びが口から飛び出る。
 いきなり入って来た雨宮から素肌を隠すように、置いてあったバスタオルを掴んでその場にしゃがみ込んだ。
 
 「何かあったのか?千紗子。」

 千紗子の目の前にしゃがみ込んで目線を合わせた雨宮に、余計に恥ずかしくなった千紗子の顔が、みるみる赤くなっていく。

 その反応に、雨宮は眉を少し上げて瞳を丸くした。
 そっと千紗子の頭に手を置くと、その小さな肩がピクリと跳ねる。
 千紗子の頭の上に手を置いたまま、彼はフッと息を吐くように笑った。
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