俺たちは夜に舞う蝶らしい
『凛音さん!?』
「よかった‥‥っ。生きてたんだ‥‥。」
顔を隠して肩を震わせる凛音さん。
なんだか、初めて凛音さんの弱い部分を見た気がする。
平気な顔してても、やっぱり不安だったんだ。
俺たちが小さい頃から大人っぽくて、蘭音さんが消えた時も1番動揺してたけど、それと同じくらい1番立ち直りも早かった。
いつも冷静で優しくて、時には怖くて厳しくて‥‥
弱さなんて言葉とは無縁そうだった。
この間の時も、何の躊躇いもなく俺たちに加勢することを決めてくれたらしいし。
3年前。
蒼炎ができたのが蘭音さんが消えた次の年。
その時、澪は蒼炎所属だった。
そんな澪が蒼炎を抜けて雫石を作った時澪に2つ聞いたことがある。
1つは何故蒼炎を抜けてまで雫石を作る必要があるのか。
もう1つは蘭音さんがいなくて寂しくないのか。
澪は蘭音さんにすごく懐いてた。
けど、いなくなった動揺からの立ち直りは凛音さんと同じくらいだったから。
そうしたら澪には1つ目の質問は誤魔化されたけど、2つ目の質問は笑って答えてくれた 。
その時の会話はよく覚えている。