俺たちは夜に舞う蝶らしい



そう言いながらライフルを構える澪。

剣術は苦手と言いながらもかなりの腕前な澪だけど、狙撃とかの方が合っていたみたいで銃全般の腕は恐ろしくいい。

スコープを使わずサイレンサーだけをつけたライフルを構えた先にあるのは、王が住む城。

そして、狙う先には王の寝所。
眠っている王。

その姿を澪が捉える。

普通なら気が付かれてしまうんだろうけど、城から今俺達がいる場所はかなり離れている。

つまり、よっぽどのやつでなければこの場所から撃てないし撃つことを考えることもない場所に俺らはいる。




『いつも思うけど、ターゲットのこと見えてんの?』




頑張れば見えないこともないけど、正確な位置はわからない。




「正確な位置はわかりません。」


『え。』


「ただ、ちゃんと見えたら弾足とか計算しちゃうからとりあえず撃ちます。」


『そう……。』


「…………じゃ、撃つよ?」




とりあえず王を消す。
一席空いた玉座には恐らく幹部の誰かが座るだろう。

俺が狙うのはその幹部の椅子。
空いたそこを取る。



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