略奪宣言~エリート御曹司に溺愛されました~
「何の害もない妻が必要なんだよ。
この会社もグループも、将来的には俺のものになる。そのために、優花梨との関係を認めない年寄りたちからの絶対条件はそれだからな」
「お前……」
歯噛みするように呟いた匠海の背中越しに、悪びれもせず当たり前のように話す陽翔を見つめる。
美郷を見ない陽翔の隣に、幸せな自分の姿は一切見えなかった。
「倫理観、ぶっ壊れてるよ陽翔」
「倫理観なんて自分の物差しで測ってるだけだろ。俺は俺の考えで動くだけだ。
結婚しさえすれば、何の問題もない」
「陽翔……!!」
匠海は怒りの勢いに任せて、もう一度陽翔の胸倉を掴んだ。
「美郷の気持ちはどうなる⁉ 好きでもない男と結婚して、子どもだっていつかは……」
「お前の子を産めばいいだろう? 血統はそんなに変わらないだろうから、別に構わな……」
「……っ!!」
当然のような物言いをした陽翔をテーブルに押し倒し、匠海は思い切り拳を叩きつけた。