恋愛なんてゲームだ!
「とりあえず、泣くな。泣くなら俺の胸貸してやるから。ほら。」
ひなたに抱きしめられる。今は泣き顔を見られたくない。
「ぐすん、ぐすん、ひなだ、制服ぬらじぢゃう…」
「そんなの買い直せばいいだけだ。もうすでに濡れてるし今は気が済むまで思いっきり泣け。」
思いっきり泣いた。シャワーの水か涙かわからないほどに。
ひなたもずっと私を抱きしめてくれて、一緒にシャワーの水にぬれた。
「おい、泣き止んだか?」
「う、うん、も、もう大丈夫…」
「とりあえず濡れたこの服どうにかするか。よいしょっと」
ひなたは目の前で上の服を脱ぎだした。
「キャッ!ひ、ひなたなにしてるの!?」
「なにって早く脱がねーと風邪ひくだろ。安心しろ、うえしか脱がねーから。翔央、翔央ー!」
「どうしたの?ってうわ!びちょびちょじゃん!今タオルとってくる!」
あーもう髪までびちょびちょ…ってか髪が濡れてるひなた、色気があってカッコいい…
って私はこんな時に何考えてんの!
「こら、姫乃!ぼーっとしてないで早く拭く!風邪ひくよ!」
鬼の顔をした翔央に怒られる。
「ところでそっちは?」
「ダメ。放心状態でなにも話してくれない。」
「そか。姫乃、なにがあったかは無理には聞かない。とりあえず健太呼ぶぞ。」
その優しさが私に必要なの。もっと優しくして…
そして男子が出て行ったあととりあえず着替えた。そして1階のリビングに降りる。
「姫乃さまぁぁ~!っ大丈夫ですか!?」
家に乱雑に入ってきた詩音。あ、これがほんとの詩音のキャラね。
「わ!詩音、びっくりするじゃない!」
「姫乃様、どうなされましたか?」
「莉乃…皆に心配かけちゃったね…ゴメンね。」
「いえいえ、だから私は反対だったんです!姫乃様に何かあればと思うと…」
「みなさま、夕飯はまだでございますね?
今からお作り致しますね。」
「「私(俺)食欲ないからいらない。」」
私と龍の声がハもる。
「ごめんなさい、失礼します。」
自室に戻った。私、なにやってるんだろ…しばらく考えているとコンコン、とノックされた。
「失礼します。姫乃様、なにがあったんですか?」
「………ゴメンね、莉乃…いくら莉乃でも言えない。みんなに迷惑がかかっちゃう…」
「わかりました。無理には聞きません。今夜、おひとりで寝れますか?」
「…寝れません…」
「じゃあ俺が一緒に寝てやるよ。」
ドアにもたれかかったひなたが言った。
「では、ひなた、よろしくお願いいたします。準備はこちらでしておきますね。」
「ん、ありがと。健太が呼んでた。急ぎっぽかったけど。」
「そうですか。では失礼します。」
「姫乃、翔央のとこのメイドと龍太郎のとこの執事が来てる。一応挨拶しといたら?」
「うん…わかった、今から行く。」
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