剣心一如!~「教えてやろうか?恋の仕方」─香取くんの恋愛指南は辛く厳しく、超絶甘い!?

「香取く~ん♪一緒にカラオケ行こーよ!」

「…興味ない」

 女の子に誘われても見るからに言葉通り興味なさげ。


「香取~付き合い悪ぃぞー。高校入ったんだからさぁ、もう少しオープンマインドに…」

「めんどくせぇ…」

 親しい男友達が誘っても一刀両断。


 香取くんはとにかく非社交的で、そして、いつもテンション低め。

 更に…


「香取くん、さすがに私の名前覚えてないってことないよね?中1から同じクラスなんだけど?」

「……」

(あ、眼逸らした…)


 どうやら香取くんは女の子の名前を覚える気もないようだ…


(なんで名前も覚えてくれないのにこんなに女の子に人気あるんだろ…?)

 私なら絶対やだけど…


「じゃ、俺帰るから」

「えー!香取くんさみしい~」

「しゃーねーな、じゃ香取またな」


 数少ない仲の良い男の子の声掛けに、香取くんは振り向かず視線だけこちらに投げる。


(!!)


「ちょー!やっぱカッコいー!」

「ねー!」


 あぁそうか。

 香取くんはあの性格を上回るくらい美形なわけか…


(視線だけであの破壊力…)


 でもやっぱり私は…

(名前も覚えてくれない男の子に恋することはないかな…)



 どこまでも香取くんは社交性に難ある、超絶美男子だ─


     *   *   *
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