王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~
そんな微笑みを前にすれば、昨夕の出来事は全て夢だったのではないかと、そんな疑問が湧き上がる。
「では、身支度が済んだ頃にまた来る」
そうしてフレデリック様はいつも通り、寝台横の卓にお湯の入った盥とタオルを置くと、颯爽と部屋を後にした。
……もしかして私は、夢を見ていた?
最近の私は高熱によって夢と現実を行ったり来たりしており、その境界は曖昧だ。
そう考えれば昨夕の記憶にも、一気に自信がなくなった。
……とりあえず、顔を洗おう。
私は不毛な堂々巡りに少々強引に終止符を打ち、目の前で温かな湯気を立てる盥に手を差し伸ばした――。