王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~


 フレデリック様はいつも、朝一番に洗面具を手ずから持って私の客間を訪れる。

 あんな濃密な時間を過ごした昨日の今日だ。私は落ち着かなさをひた隠し、フレデリック様の来訪を待った。
 そうすれば、いつも通りの時間、いつも通りのノックの後に、フレデリック様は客間に姿を現した。

「おはようエミリー、昨夜はよく眠れたようだな」

 騒ぐ鼓動を必死に抑えつける私とは対照的に、フレデリック様は涼しい笑みを向ける。

「おはようございます。お陰様で、朝までぐっすりで……あ、ありがとうございます」

 寝台から半身を起こす私に、フレデリック様はさり気なく手を添えてフォローする。

「そうか。それはよかった」

 朝日の下で見るフレデリック様はとても爽やかで、昨夕の淫靡な空気は欠片も感じられなかった。



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