王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~


 水色の双眸は強く熱く、私だけを見つめていた……。

 昨夕の桃の記憶を振り切るように、私は空いたフォークに林檎を刺した。林檎は齧ればシャクシャクと歯切れのいい咀嚼音が響く。それがなんだか、耳に心地よかった。

 幾度か繰り返せば、果物の入ったガラスの器は、空になった。

 空になった器を、そっと奥へ押しやる。すると、差し込む太陽光が器にキラリと反射した。

 ドキリと鼓動が跳ねた。
 眩しい輝きは、どうしたってフレデリック様その人を彷彿とさせる。記憶の中のフレデリック様の微笑みが、甘く艶やかに私を魅了する。

 高鳴る鼓動はまだしばらく、止みそうになかった……。






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