王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~


 読めない笑みを浮かべた王子様が、まさか雨雲から雨粒と一緒になって落ちてきた。しかも恐ろしすぎる、今の言葉は一体何事!?

「あの、ひとまず雨も降り出してきましたから、中へどうぞ。それであの、今日はお一人で?」

 腕に抱えた菜っ葉に難儀しつつ、扉を押し開きながら問う。また、けたたましく大人数で押し寄せられては堪らない。一応の確認だ。

 すると答えより先に、腕の中の菜っ葉が横からスッと取り上げられた。

「え? あ、ありがとうございます」

 フレデリック様は扉を潜ると、私がなんの指示をしなくとも調理台に向かい、菜っ葉を大振りのザルの中に置いた。



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