王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~


「……フレデリック様、正直に言います。こんなふうに訪ねてこられるのは、困ります」

 意を決し、重い口を開いた。

「何故、急にそんな事を言うのだ?」

 ドクダミ茶も、蜂の子も、その衝撃を一瞬で取り繕ってきたフレデリック様が、今は驚きを隠そうとしなかった。

「フレデリック様の将来に、私が差し障りになる事態は万が一にもあってはいけません。それに、フレデリック様だけじゃありません。ここは、狭い村社会です。私が外の男性を招き入れていると、あっと言う間に知れ渡る事でしょう。ここに来るのは、これを最後にして下さい。お互いの為に、なりません」

 本当は、私に通う男性がある事が知れ渡ったからと言って、なんら困る事はない。

 けれどフレデリック様には、もしかしたら効力ある言葉になるかもしれないと思い、敢えて口にした。




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