王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~
例えば、王子である俺になんという物を出すんだって、フレデリック様が怒ってくれたなら私は万々歳。
怒るまでいかなくとも、こんな物は食えないって、不機嫌も露わに帰ってくれれば、私の心は一瞬で軽くなった。
だけどフレデリック様は怒るどころか、噛みしめるようにして、食べたくもないだろう蜂の子を含んだ。
……私は一体、何をやっているんだろう。
胸がキュウッと締め付けられる。
度量を、見せ付けられた思いだった。逆に私は、浅はかな自分がとても恥ずかしかった。
私はあざとい方法で、フレデリック様を遠ざけようとした。
それは実際の訪問という行為はもちろん、その心を遠ざけたかった。所詮その程度の男なのだと、私の中でフレデリック様にそんな烙印を押せる事実が欲しかった。
だから敢えて、試す様な行動をした。