王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~
それに方向こそちょっとアレだが、確かに「おひとりさま向けビジネス」は今後もますます需要が見込める。
私は高らかに笑うアイリーンを、眩しい思いで見つめた。
「アイリーンはすごいなぁ」
感嘆はひとりでに、声になって漏れ出ていた。
私だって、悠々自適のおひとりさまライフを過ごしたい心は同じ。だけどアイリーンのように、おひとりさま向けのビジネスを興したり、そんな積極性はとても持てない。
「え!? なに言ってるの! 私の事業は全て、エミリーの知識やアイディアありきだわ。私一人じゃ、どれひとつだって形にもなっていない。それなのにエミリーは、情報提供料の一エンネだって受け取らない。本当にすごいのは、私じゃないわ! エミリーよ!!」
私の言葉に、アイリーンは物凄い勢いで身を乗り出して言い募る。