* Time of princess *
「とにかく紅麗の言っている事は理解した。だからパパに任せてくれないか?

紅麗が望むものとは違うと思うが、妥協する事も社会では必要な事だからね。

さてと、家族が全員揃った事だし、高柳朝ご飯の用意をよろしく頼む。」


「承知致しました。久しぶりの家族の団らん、心して給仕に務めさせて頂きます。」


いつもより楽しそうな高柳さんを横目に見ながら…


「パパ、本当に私のお願いを訊いてくれるの?くれぐれも慈音兄さんだけは 絶っ対に邪魔しないでっ。約束してね。」


「ハハハ…慈音も紅麗に先に言われたら 手出しは出来ないな…。」


「チェッ。紅麗…俺に連絡はマメによこせよ。じゃないと…わかってる?」


クスッと意地悪そうに笑う実の兄に、ちょっとビクッとするのだけど、


気付いてる?慈音兄さんがデレるのはどんな時か…


私はにっこりと目をキラキラさせて 思いっきり自ら兄さん目掛けて抱き付きに行く。


「慈音兄さんが大好きだから、絶対連絡するねっ。」


これで この人はコロリ、のはず…


「///俺も大好きだよ。」


それからの慈音兄さんは終始ご機嫌で ニコニコしかしていない。


これって 兄さんにだけ有効なのかは、一度も男性と付き合う事がなかった私にはわからない事なのであった。


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