* Time of princess *
階段を降りて 二人がいるリビングに向かう。


「おはよう、パパママ。昨日は話の途中で出て行ったりしてごめんなさい。あのね二人がアメリカに行ってしまう前に 聞いて欲しい事があるの。」


「おはよう紅麗。いや、私達も昨日お前に突然結婚の話をして悪かったと話していたんだ。紅麗と気不味いままアメリカに行くのは心許ないし、話が出来てよかったよ。」


「ありがとう。私もこのままだとモヤモヤしたままだから 二人に聞いて貰いたいの。」


「わかった、紅麗が思っている事を全部話して欲しい。」


「私ね大学を卒業してから 習い事をしたりしているけれど、外には行かないで全て部屋で習っているでしょ?

私の友達は殆どが社会に出て 働いてお給料を頂いているのに…。

私も社会に出て 色んな事を勉強したいの。どうして私が働く事がダメな理由が知りたいの。」


「いつかは そう聞かれるだろうと思っていたよ。それはね…パパとママがお前を過保護に守りたいが為のエゴ、社会に揉まれさせたくないんだよ。」


「社会に揉まれる?」


…バタン!!


「違うだろ?俺が父さんと母さんを洗脳し過ぎたせい。俺の紅麗を誰の目にも入れたくはないからだ…」


慈音兄さん?


「ハハ、慈音 今日はえらく早いな…昨日のメールがそんなにも気になったか?」


「ああ 紅麗絡みなら飛んで来るに決まってんだろ?で結論は?」


「相変わらずせっかちだな。手は打っているが、今はお前には話せない。悪い様には勿論しない。」


「はぁ?何故話せないのか意味がわからない…」


二人で話がスパークしている。私の話のはずなのに…やっぱり私の家はおかしい。

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