MAN of DESTINY王太子の執拗な求愛

ジュリアと美桜

蛇氏は
「道はできている。
思うまま進みなさい。」

と言ったが、地図がある訳でも、
道標がある訳でもない。


山の中は果物はたくさんあつた、
しかしたまには肉か魚が食べたい。


なぜ山道を進んだかと言うと、
果物の木をたどっていたら
山に入ってしまった。


道を進んで行くと段々細く成り
道が終わった。
かろうじて獣道があるだけだ。



美桜の背丈程ある草が幾手をはばむ。
高く伸びた雑草は草独特の臭いを
放っている。


押しのけ押しのけ歩くと、
ジキタリスやシルクジャスミン、
スイカズラ、サルスベリや萩の花に
変って来た。


しかし不思議な事に美桜が
歩いた後はまた草木は折れも
倒れもせず
元のままになっている。
美桜も不思議な事もあるもんだと、
思ったがそれ程気にしなかった。


やぶを抜けると想像を絶する
風景が広がっていた。

 サササササササ、ササササササ

美桜の後ろから沢山の視線を感じる。
パッと振り返ると何かが動く!

「なに?」
美桜もすぐさま近くの太い木に
隠れた。

   “チラッ”“チラッ”

向こうも警戒している。

≪キユルキユルキユルグ~≫

「あっ!!」慌ててお腹を押さえる。

   ≪グルッキュルキュ﹏≫

「お、お腹が。これヤバいやっや~」

   «クスクス、クスクス»

チラッチラッと覗いてみる。
向こうもチラッチラッと見ている。
一時間くらいそうやっていた
だろうか?もう疲れちゃって
美桜の方から声をかけた。



「許可なく入ってすみません。
 直ぐ出て行きますから、
 ちょっとどこか行ってて貰えま 
 せんか?」



がさごそと音がして1人の女の人が
出て来た。

「あなた、私の言葉が分るのね。」
「分かります。」

        「わかるって、」
   「だっ!!だって、男の子ょ」

  「おかしいだろ!
女の子のはずだろ?」

後ろで、沢山の声がする。

そろっとでてみると身長120㌢の女
の人がいて年は50代の可愛らしい
人だ。

ゾロゾロと沢山の子人さんが出て
きた。白雪姫に出てくるような
小さい人達。


   「男の子じゃ人違いだよ。」


「は?私女の子です。
美桜と言います。」

   「……」

「‥の子だって」

「女だってよ」
「…女?」
また、ザワザワと声がする。

「‥‥‥」


さつきの女の人が確かめるように、

「女の子?美桜は女の子なの?」

「はい、
 旅をしているのでこんな格好です
が 、私、女です」

    「まああっヾ(≧∇≦)」

女の人は手をあわせて嬉びの声を
あげた。


“3百年後の9月3日、
午後3時月の娘この地に降り立っ。
”間違い無いわ。3時に私達は此処でお待ちしておりました。

こびとさんたちは、地にひれ伏しナンジャラカンジャラ、呪文を唱えた。

「なっ、なんですか?宗教?、」

「違いますよ。
 あなたは私達の救世主なのです。
 あなたは月の指輪を持っています
ね。」

「ウッ、また何かあります?
 この間、ある爬虫類の方に
言われたんですけど?、」

「“マアッ”ピットでしょう。
 白い蛇の‥」

「そうです。
 想うままに、進めと言われ、
 進んでいたらここに、着きました。」

     「嗚呼~神様。」
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