MAN of DESTINY王太子の執拗な求愛


彼女はジュリアと言い
私を月の乙女と言い張る。何の
根拠があって、言えるのか?


「あなたの指、
 うっすらとオレンジ色の光を
 放っいるわ。 

 よく御覧なさい、
 月がうっすらと浮かんでいるでしよ
う。」



ジュリアさんの言うとおり
丸い月のデザインが薄く見える。


「この指輪は、つい最近まで
 私達が保管しておりましたの。
 だから間違うはずがない。 」

そういって彼女は事の成り立ちを
話し始めた。

「あなたが、
 ケイン殿下と結婚の約束を
していたのは知ってる?」

「けっこーン?
 しっ、しらない!!彼氏だって 
 聞きましたけど?」



「あらま~記憶が無いのね。」


うんうんと大きく頷く。
こびとさんたちは体育座りで
皆な興味本位で聞いていた。

「あなたとケイン殿下は恋仲で、
 あなたは子爵の三女の末娘に
生まれた。」


へーちょっと聞きました。

「しかし魔女リザがケイン殿下に
 一目惚れをして、
 嫉妬し、
 ルチアマンダ国に争いを起こし
  
 何人もの人が犠牲になった。


 リザが私ならこの争いを止められると
 申したて交換条件として、
 リザとの結婚を求めて来たの。

 勿論、
 殿下は断ったが争いは、益々激しくな
った。
 思い悩んだ殿下は藁もすがる思いで
 泣く泣く承知した。

 すると嘘のように争いは
引いていった。


 病に伏した者も、すぐさま良くなっ
た。
 リザのお陰とリザ派が増えて
しまって、
 もはや結婚は逃れなくなった。


 当然、シャロンは反対した。
 ケイン殿下は、
「妻はシャロンだけだ!
 リザとは名ばかりの結婚だ!!」


 そして、名目は妾だが心は君にある。
 リザとは関係を持たないと約束した。

 シャロンも、民の為と諦めて承知した。

 しかし妾だけは嫌だった。
 ケインと居られる手段としても嫌だった。

見せかけと知っていても
リザがケイン殿下の隣で腕を組み笑っているのも耐えられなかった。
しかしケインは約束通り、リザには必要以上の接触はなかった。


 シャロンを妾に迎えると聞いて
 リザは怒りシャロンに呪をかけた。

 信心深いシャロンを神は呪いを溶かず
 三百年の眠りのまま地球に飛ばした。
 その身代わりが蛇の、ピットよ。

「……」

それから私達は、シャロンに呪いをかける場所に居たためその煽りをうけてしまった。

身長は縮んで、此処まで飛ばされた。
しかし神の使いのピットがやってきて、


「三百年後の9月3日、
 3時月の乙女が降り立つ、
あなた方は、
 香りの花を集めてミサンガを
作り上げ月の乙女に身につける
用にしてください。

 そう言われたの。」
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