クールな青山准教授の甘い恋愛マニュアル
彼女は俺の気配を感じて、目を開けた。
「あの……診察代とかは?」
その質問を聞いて、思わず額に手を当てる。
やれやれ。高熱で辛いんだから変な心配せずに寝てればいいのに。
「そういうのはまた後日でいい」
俺の言葉を聞かず、彼女はあやふたしてベッドを出ようとする。
「あっ、保険証とかも……必要ですよね?確か財布の中に……ケホッケホッ」
激しく咳き込む彼女をあえて下の名前で呼んで叱る。
「馬鹿、綾香」
背中をさすってやれば、彼女はポカンとした顔で俺を見る。
「え?今……なんて……?」
「綾香って呼んだんだ。人の言うこと聞かないから。いいか、今はちゃんと休むこと。そう言えば、夕飯ちゃんと食べた?」
心配になって確認すれば、彼女は少し気まずそうに答えた。
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