クールな青山准教授の甘い恋愛マニュアル
自宅も停電……。マズイ。
「俺、帰らないと」
呟くように言って、研究室を飛び出す。
左京の声が聞こえたが、立ち止まらずに非常階段を使って外に出ると、綾香の携帯に電話した。
だが、彼女は電話に出ない。
居ても立ってもいられなくて、車に乗るとまだ雷鳴が轟く中、家に帰る。
マンションもやはり停電で、玄関を開けると、スマホの明かりで周囲を照らした。
「綾香?」
名前を呼びながら、彼女の寝室へ向う。
ドアを開けると、また稲津が光って……。
「キャアー!」
側で綾香の叫び声がした。
スマホでその声がした方向を照らせば、彼女は部屋の隅で毛布を被ってブルブル震えている。
「綾香、もう大丈夫だから」
安心させるように声をかけると、彼女は俺にダイブしそうな勢いで抱きついた。
「……先生、遅い」
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