クールな青山准教授の甘い恋愛マニュアル
半泣きで怒る綾香。
彼女に抱きつかれて、胸に温かい感情がじわじわと湧き上がってくる。
俺が守らなければ……という気持ちでいっぱいだった。
「遅くなって悪かった」
そう謝ると、彼女をギュッと抱き締めた。
どれくらいそうしていたのだろう。
雷の音も収まって、綾香は落ち着きを取り戻したのか、急に俺から離れようとする。
「先生……取り乱してすみません。私……雷苦手で。でも、もう大丈夫ですから」
腕に力を込めて彼女をギュッと抱き締めて止めた。
「まだ停電続いてるし、もうちょっとこのまま。こうしてると昔飼ってた猫思い出すんだ。マロンって言う名前で、雷が嫌いでね」
「私は猫じゃありませんよ」
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